2020年6月1日(中小企業は2022年3月31日まで努力義務)について、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会は2019年11月20日、「事業主が職場における優越的な関係と背景とした言動に関する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」案を了承しました。
「事業主に求められる雇用管理上の措置」とは、次の10項目です。
①事業主の方針等を明確化し、労働者に周知・啓発すること
②対象方針を定め、労働者に周知・啓発すること
③相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
④相談窓口の担当者が適切に対応できるようにすること
⑤事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること
⑥事実確認ができた場合において、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
⑦事実確認ができた場合において、速やかに行為者に対する措置を適正に行うこと
⑧再発防止に向けた措置を講ずること
⑨相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずること
⑩相談等をしたことを理由として不利益な取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
重要になるのは、判断要素に留意した事実確認です。
パワーハラスメントにあたるかどうかは、業務上の必要な指導との線引きが難しく、
個々に判断していく必要があります。
パワーハラスメントと判断される3要素とは、
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されるもの
とされ、考え方や判断要素、典型的な該当例・非該当例などを示しました。
事業主は、これらの措置を講ずる際には、指針に沿って、必要に応じて労働者の意見を聴きながら
運用状況の把握や必要な見なおしの検討等に努めることが重要とされています。
具体的な手法としては、衛生委員会の活用が例示されています。
社会保険労務士の立場からも、衛生委員会で積極的に労働者の意見を聴き
自社にあう基準づくりをされることをお勧めいたします。
社会保険労務士法人ハーネス 沼田博子は衛生工学衛生管理者です。
弊社には、産業保健師もおります。
また、産業医との連携もできます。
衛生委員会の運用・活用についてのコンサルティングもしております。
顧問契約をしていただければ衛生委員会にアドバイザーとして出席いたします。
衛生委員会については、次回にご紹介いたします。